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2025.02.26
誤りの陰に潜む誤り
社員ブログ

 私たち校正者が読んだゲラは、社内での検品を経てからお客さまのもとへ届けられます。
 検品担当者によって発見された改善点は、社内で共有されます。起こりやすいミスなどを蓄積して社員全員の今後の仕事に活かしていくための仕組みです。
 この「フィードバック共有」は校正担当者の名前を伏せておこなわれるのですが、校正者本人は自分の作業に不備があったともちろんわかるわけです。
 「フィードバック共有」の通知がPCに表示されるたびに心拍数が上がり、「どうか私のゲラではありませんように……」とビクビクしながら震える手で通知をクリックします。
 願いが通じて自分の読んだゲラではなさそうだとわかったときには、まず安心して、それからやっと「これは確かに見落としてしまいそう」とか「こういうところは要注意なんだな」と内容を確認していきます。

 このところ続いたのが「指摘を出した箇所のすぐ近くの誤字に指摘が出されていなかった」パターンです。たとえば「プルドーザ―」に対して「プをブにしますか?」という鉛筆は入っていたが「―(ダーシ)」を「ー(オンビキ)」にする指摘はなかった、というような感じです(この例は私が説明のために今考えたもので、実際にはありません)。
 一つ見つけると安心しちゃいがちなんですよね。

 小学5年生のときに、教室で担任のI先生がテストの丸付けをしていました。シャッシャッと軽快に走らせていた赤ペンをピタッと止めて「100点かぁ……」とちょっと残念そうに呟くI先生。
 周りを取り囲んでいた私たちの誰かが「100点だとダメなの?」と訊くと、「100点だと間違いを見落としているかもしれないからね、もう一回はじめから見るようにしているんだよ」と言って解答欄を一つ一つ指差し確認し、「やっぱり100点だ」と採点済みの山に載せました。
 次の答案を手に取りパパッと手早く丸付けすると「これは97点、だから見直ししなくて大丈夫」とニッコリ。
 あのときの97点、もしかしたら94点だったかもしれない。
 正答のあるテストの丸付けと、私たちがおこなう正答のない校正はまったく別のものではありますが、自分の出した鉛筆のすぐそばに見落としが隠れているのではないかと目を光らせるとき、I先生の顔を思い出すのです。

* * *

<書いたひと:ま>
 2009年入社。校閲部所属。
 二児の親です。(当時はクラスの他の子に点数がわかってしまう環境で丸付けをしていたんですね。今ならありえないのではないでしょうか)

2025.02.03
祝・ホームページリニューアル!
社員ブログ

 はじめましての方も、鷗来堂ファン(?)の方も、こんにちは。
 ご覧いただいている通り、このたび、ホームページを全面リニューアルいたしました!
 引き続き鷗来堂カラーの「青」をメインにしつつ、雰囲気はだいぶ変わり、すっきりと見やすいデザインになったのではないでしょうか。

 合わせて、こちらの「鷗来堂ブログ」も心機一転、再出発。
 今後は、「かもめクラス」の開催記録や、社員によるミニエッセイなど、ぽちぽちと更新していく予定です。
 更新はX(旧Twitter)でもお知らせしますので、気になる方はぜひフォローしてくださいね。
 →鷗来堂X

 改めて、鷗来堂をどうぞよろしくお願いいたします。

* * *

<書いたひと:鶴>
 2014年入社、管理本部所属。
 校正者として入社後、いろいろあって今は作業補助のプログラムを作ったりしています。

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